【6月7日 AFP】個人とクラブチームでほぼすべての成功を勝ち取ってきたクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)だが、たった一つだけ、これまでことごとく縁がなかったものがある。――ポルトガル代表での国際大会のトロフィーだ。

 欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)は、31歳のロナウドにとって4度目、そして最後の欧州選手権になるかもしれない。ロナウドの中で過去3大会は、大きな期待を寄せられながらも、最終的には涙をのんだ失意の大会として刻まれている。

 世界年間最優秀選手「FIFAバロンドール(FIFA Ballon d'Or)」に3度輝いているロナウド、本名クリスティアーノ・ロナウド・ドス・サントス・アヴェイロ(Cristiano Ronaldo dos Santos Aveiro)は、若くして将来を嘱望される選手だった。

 16歳の誕生日を迎えた年に、当時所属していたスポルティング・リスボン(Sporting Lisbon)の下部組織からBチームを一気に駆け上がり、トップチームに昇格。そしてマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)との親善試合でアレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)監督の目にとまり、2年後にはユナイテッドに移籍。クラブから授けられた背番号7はその後、自分の代名詞になった。

 2004年には国際大会の舞台で存在感を示し、母国開催の欧州選手権では2得点を挙げて決勝進出に貢献した。しかし、決勝でチームは快進撃を続けてきたギリシャに敗れ、無念の準優勝に終わっている。

 それから4年後、オーストリアとスイスによる共催大会で、ロナウドはその埋め合わせに燃えていた。当時のロナウドは、その1か月前にユナイテッドを欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇に導くなど、最高に近い状態で大会に臨んでいた。

 ところが、レアル・マドリード(Real Madrid)移籍のうわさも影響したのか、グループリーグでは3試合でわずか1得点と印象を残せず、チームは決勝トーナメントには進出したものの、準々決勝でドイツに敗れ、ポルトガルは大会から姿を消した。