■卵を毎日少なくとも1個、90年間

 一般的な医学の常識に反し、モラノさんは、生卵を1日に少なくとも1個と、決まった量の生のひき肉を中心とした食生活を好み、野菜を避けてきたにもかかわらず、長生きしている。

 甘い物好きで、たんぱく質も好むモラノさんは、りんごのピューレやビスケットなどを夜食として食べる。また彼女のもとを訪ねるお客さんたちはよく、イタリアで「イースター(Easter、復活祭)」などに食べられる卵とバターたっぷりのケーキ「コロンバ」を持参してくる。

 昨年のインタビューで、モラノさんは長生きの秘訣(ひけつ)は、まだ幼かった一人息子が亡くなった後、1938年に暴力的な夫のもとを去ったことだと語っていた。結婚生活は不幸で、結婚前に本当に好きだった男性は、第1次世界大戦(World War I)に行ったまま帰らなかったという。

 教会が絶対的な存在だった1930年代のイタリアで、離婚は簡単なことではなかった。モラノさんは生きていくために、麻袋を製造する工場で働いた。

 卵を食べる習慣は、20歳のときに貧血と診断された際、医者から1日に3個、2個を生で1個は火を通して食べるよう勧められたのが始まりだ。彼女はそれを90年間続けている。

 毎朝8時に起きて、午前11時に昼食を取り、午後6時に夕食を取るという習慣も変わらずだ。昼食と夕食の後には、長めの仮眠を取り、夜食を食べてから就寝は毎晩11時だ。

 この習慣を続けていきたいと、昨年11月に116歳の誕生日を迎えたモラノさんは話し、「私は元気です。この調子なら私はまだ長生きする」と語った。(c)AFP/Olivier MORIN, and Angus MacKinnon in Rome