【5月14日 AFP】米大リーグ(MLB)のテキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)は13日、飲酒運転によるひき逃げ事故でバイクに乗っていた男性にひん死の重傷を負わせ、3年間服役したマット・ブッシュ(Matt Bush)投手のメジャー昇格を発表した。

 30歳のブッシュは、ドラフト全体1位指名から12年を経て、13日のトロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)戦で念願のロスター入りを果たし、「スポーツ史に残る期待外れの選手」というレッテルを剥がすチャンスを手にした。

 フロリダ(Florida)州の刑務所に服役し、選手生命は絶たれたとみられていたブッシュ投手だったが、昨年10月に釈放されると、今でも100マイル(約161キロ)近くの速球が投げられる姿を披露し、レンジャーズとのマイナー契約を勝ち取った。

 2004年に高卒ながら地元のサンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)から全体1位指名を受けたブッシュ投手は、入団前にナイトクラブで事件を起こして逮捕されると、その後もラクロス部の高校生2人に暴力をくわえたとして逮捕されるなど問題行動を繰り返し、トレードされたブルージェイズからも解雇された。

 ブッシュ投手はその後、サンディエゴのショッピングモールで車にものを投げて逮捕されると、タンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)とマイナー契約する前にも飲酒運転で事故を起こし、服役することになった。

 ブッシュ投手は今季のマイナーリーグで17回を投げて防御率2.65、18奪三振、5セーブを記録していた。

 ブッシュ投手をメジャーに昇格させたレンジャーズは、代わりにデライノ・デシールズ(Delino DeShields)外野手をマイナーに降格させている。(c)AFP