【5月13日 AFP】トップチームの試合中に起きた乱闘について、中国サッカー協会(CFA)が12日、正式に調査を行うことを発表した。前日に起きたこの騒動では、巨額の資金を有することで知られる江蘇蘇寧(Jiangsu Suning)の中国代表MF呉曦(Xi Wu、ウー・シー)が、まるでカンフーのようなキックをお見舞いされる場面もあった。

【編集部おすすめ】少林サッカーで旋風起こせ!壮大な野望を抱く中国の武術学校

 騒ぎが勃発したのは、中国FAカップ(Chinese FA Cup)でアマチュアチームの武漢宏興(Wuhan Hongxing)と対戦した江蘇蘇寧が、延長戦で得点し、1-0の勝利が濃厚になった瞬間。武漢宏興の選手が江蘇蘇寧に襲い掛かった。

 乱闘が始まると、呉曦の腰に蹴りが飛んできただけでなく、そこらじゅうで拳と拳の勝負が始まった。

 今年初めに高額で移籍し、江蘇蘇寧でプレーするアレックス・テシェーラ(Alex Teixeira)、ラミレス(Ramires Santos do Nascimento)、ジョー(Joao Alves de Assis Silva 'Jo')の3選手は、中国FAカップの規定により、11日の試合には出場していなかった。

 中国サッカーにとって、とんだ恥さらしとなったこの騒動。同国サッカー協会は「規律を著しく乱す行為」ととがめている。

「中国サッカー協会は、本件を非常に重大視し、すでに正式な調査を開始しています」

「われわれはピッチ上でのいかなる暴力、規律の乱れ、悪影響を与える行為を禁じ、ファン、選手、スタッフを含めたすべての関係者に対し、常に道理をわきまえた行動を取るよう促しています」

 たまたま試合を観戦していた英語教師のジェイミー・マキロイ(Jamie McIlroy)さんは、AFPに対し「あんなの初めて見ましたよ。武漢のベンチ全員がピッチに飛び出してきて、江蘇の選手たちを攻撃し始めたんです」と当時の状況を語った。

 現役時代にチェルシー(Chelsea)でプレーした経験もあるダン・ペトレスク(Dan Petrescu)監督が指揮する江蘇蘇寧は、後半だけで11回も担架を呼ぶなど、時間稼ぎばかりする武漢宏興に対して我慢強く戦っていたという。

 マキロイさんは「あれは完全に武漢が悪かった」と話し、「彼らは、ずうずうしい態度で時間を無駄遣いし続けた上に、負けを認められなかったのだと思います」とした。

 武漢宏興のゼネラルマネジャー(GM)は、スポーツニュースサイト「新浪体育(Sina Sports)」のインタビューで謝罪し、「暴力をはたらいた選手は解雇します」と述べた。(c)AFP/Cameron Wilson