【5月13日 AFP】才能ある若手ながら、数々の問題行動で男子テニス界を騒がせているバーナード・トミック(Bernard Tomic)が13日、過密スケジュールのため、今夏のリオデジャネイロ五輪でオーストラリア代表チームに入ることはできないと発表した。

 トミックと、オーストラリアナンバーワン選手のニック・キリオス(Nick Kyrgios)は、コート上での無礼な態度が改善されなければ、五輪の代表選考に影響する可能性もあると警告を受けたばかりだった。

 世界ランク22位のトミックは、リオ五輪の代わりに、同時期にメキシコで開催される大会に出場するとしている。

 トミックは声明の中で、「非常に残念ではありますが、リオ五輪でメダル獲得を目指すオーストラリア代表チームでプレーすることはできないという、難しい決断に至りました」と述べた。

「(国別対抗戦の)デビスカップ(Davis Cup)では、緑とゴールドのウエアに身を包み、母国を代表することを誇りに思ってきました。しかし、非常に過密なスケジュールと、自分を取り巻く状況を考慮すると、今年の五輪に出場することはできません」

「この決断は、何が自分のテニスキャリアにとって大事なのかを考えた結果です」

 トミックは先日、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2016)の初戦でやる気のないプレーを見せ、批判を浴びたばかりだった。

 トミックは問題の試合で、ファビオ・フォニーニ(Fabio Fognini、イタリア)にマッチポイントを握られると、相手のサーブを受ける際にラケットを上下逆に持って、リターンするそぶりすら見せなかった。

 試合後の会見でもまったく反省する様子がなかったトミックは、さらに事態を悪化させるように「あんなマッチポイント、どうでも良かった。23歳にして1000万ドル(約11億円)以上の価値がある選手が、あんなポイントをいちいち気にすると思う?」とコメント。

 オーストラリア選手団のキティ・チラー(Kitty Chiller)団長は、この驚くべきニュースを受けて、トミックの行動は「あきれるほどひどい」と話していた。

 トミックは、開催中のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2016)でも、初戦の第1セットでメディカルタイムアウトを要求すると、「一晩中調子が悪かった」として棄権を表明し、試合開始からわずか8分でコートを去った。

 地元オーストラリアのメディアは、トミックを痛烈に批判しているだけでなく、燃料積載容量が少ないことを皮肉って「タンク機関車のトミック」と名付けている。(c)AFP