【5月11日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は10日、一昨年のソチ冬季五輪で、4人の金メダリストを含むロシア人選手がドーピングを行っていたという新たな告発を受け、調査を行うことを発表した。

 露反ドーピング機関(RUSADA)の元職員、ヴィターリー・ステパノフ(Vitaly Stepanov)氏は、8日に米CBSテレビで放送された報道番組の中で、ソチ大会で上司からドーピングのもみ消しを指示されたなどと暴露した。

 ロシアのスポーツ相は、今回の告発には、近く予定されているWADAとの話し合いを脱線させる意図があるとして、ドーピング疑惑を一蹴していた。

 しかし、WADAのクレイグ・リーディー(Craig Reedie)会長は、「WADAは新たに持ち上がった疑惑について、早急に調査を行う」と不正を見逃さない考えを明かし、「ソチ大会での反ドーピング手順を覆そうとしたなど、番組での告発は大きな懸念材料になっている」と続けた。

 開催国ロシアは、ソチ五輪で最多となる13個の金メダルを獲得している。しかし、この中の誰が禁止薬物を使用したのかについて、番組内では明かされなかった。

 WADAは今週、カナダのモントリオール(Montreal)で会合を行うことになっており、ロシアの新たなドーピング疑惑についても、議論を交わすことになるとみられる。(c)AFP