【5月10日 AFP】北朝鮮で36年ぶりに開催された朝鮮労働党大会には多数の外国メディアが招待されたが、初日の6日は会場の「4・25文化会館」から200メートル離れた場所までしか近づけず、9日に公開されたのも金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記が演壇に登場する冒頭のわずか5分だけだった。

 北朝鮮が外国メディアを行事に招くのは今回が初めてではなく、金第1書記が生まれる前の1980年に開かれた前回の党大会でも取材が認められていた。とはいえ、閉鎖的な同国にとってはやはり珍しいことだ。

 会場内では、目を見張るような政治的演出が繰り広げられていた。地味なスーツを着て硬い表情をした男性数千人(女性の姿もちらほら)が、胸に勲章をぎっしり着けた軍人らと共に広い会場を埋めていた。音楽が鳴り響き、金第1書記が最高幹部らを引き連れて登壇すると、一斉に立ち上がって雷鳴のような喝采を送った。

 その後、金永南(キム・ヨンナム、Kim Yong-Nam)最高人民会議常任委員長が党の主要ポストを発表。金第1書記は「党委員長」に任命された。同氏の権威を一段と高めることが狙いとみられる。

 外国メディアの記者ら約130人は5分後に退出させられたが、この短時間の訪問の準備に何時間も費やしていた。警備は極めて厳しく、記者らは厳重な身体検査を受けたほか、携帯電話や不審物とみなされた所持品は金属製のボールペンも含めて、全て閉会まで取り上げられた。(c)AFP/Simon MARTIN