【5月9日 AFP】9日朝に投票が始まった任期満了に伴うフィリピン大統領選で、支持率トップの有力候補、ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)氏は選挙戦の期間中、暴言や下ネタ、殺人の脅しなどを連発して支持者を熱狂させ、反対派を怒らせてきた。

 南部ダバオ(Davao)市長を長く務め、「パニッシャー(私刑執行人)」「フィリピン版ダーティーハリー」などの異名で知られるドゥテルテ氏の最も過激な発言を、5つ紹介する。

■レイプ殺人で「冗談」

 1989年にダバオで受刑者の暴動が起きた際にオーストラリア人修道女が強姦殺人の被害に遭った事件について、4月の選挙集会での発言。

「やつらは女性を全員レイプした。その中に、このオーストラリア人修道女もいた。(遺体の)彼女の顔を見て『ちくしょう、なんてこった』と思ったよ。やつらは列を作って彼女をレイプしたんだ。それには怒りが湧いたが、彼女は本当に美しかった。そこで思ったんだ、一番先に市長にやらせるべきだったんじゃないか、と」

■「法王、帰れ」

 2015年11月の演説で、同年1月にローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王がフィリピンを訪問した際、首都マニラ(Manila)で発生した大渋滞を振り返ってのコメント。

「ホテルから空港まで5時間もかかった。誰が来てるんだと尋ねたら、法王だっていうんだ。法王に電話して言ってやりたかったね。『法王さんよ、この野郎、とっとと帰れ。二度と来るんじゃねえ』って」

■容疑者は殺す

 2015年6月のインタビューで、犯罪対策として容疑者は殺害すると発言。

「私も罪は犯したくないが、万一、神が私を大統領の座に就かせてくれたなら、気をつけることだ。(私が殺したとされる)1000人が10万人になって、マニラ湾(Manila Bay)の魚たちが肥えるだろう。死体をそこに投げ込んでやるんだ」

■人権法は忘れろ

 大統領選前最後の選挙集会となった7日、人権法を無視するとコメント。

「人権に関する法律など忘れてしまえ。私が大統領になった暁には、市長時代と同じようにやる。麻薬密売人や強盗、それから怠け者ども、お前らは逃げたほうがいい。市長として私はお前らのような連中を殺してきたんだ」

■バイアグラで冗談

 4月に行った国内企業トップとの会合での演説で、女好きとの評判に対して。

「妻とは別れたが、私は不能じゃない。どうしたらいいというんだ? 一生、我慢し続けろとでも? バイアグラを飲めば、ちゃんと立つんだ」 (c)AFP