【5月9日 AFP】カナダ西部アルバータ(Alberta)州のレイチェル・ノトリー(Rachel Notley)首相は8日、同州フォートマクマレー(Fort McMurray)周辺を襲った大規模な森林火災について、延焼速度が「相当ゆっくりになった」と明らかにした。

 当局は8日朝、隣接するサスカチワン(Saskatchewan)州に火災が広がりかねないと警告していたが、時間の経過とともに炎の先端部の進行が遅くなり、火は州境から40キロ手前にとどまっている。

 ノトリー州首相は記者会見で、森林の焼失面積を2000平方キロとする当初の推定は大きすぎたとし、実際は1600キロ平方程度だと付け加えた。

 アルバータ州の森林火災対策の上級管理者であるチャド・モリソン(Chad Morrison)氏によると、「母なる自然の少しの助けと天候のちょっとした幸運」や、消防隊員約500人の懸命の消火活動により、フォートマクマレー市内の火災はほぼ鎮火したという。

 また、同市北部のオイルサンド採掘地域への脅威は少なくとも当面は減少し、石油・ガス会社ネクセン(Nexen)と中国海洋石油(CNOOC)の施設も軽微な被害を受けるにとどまった。石油会社サンコール(Suncor)の施設は被害を免れたという。

 モリソン氏によると、9日に予想される降雨や低い気温、最大瞬間風速17メートルに達するとみられる西風により今後数日間、石油関連施設から火災が遠ざけられることを消防士らは期待しているという。(c)AFP