【5月7日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配しているイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の幹部イスマイル・ハニヤ(Ismail Haniya)氏は6日、イスラエルとの紛争を望んでいるわけではないが、ガザ地区への侵入には断固として抵抗するとの姿勢を示した。ガザ地区では今月4日から、パレスチナとイスラエルの間で50日間の激しい戦闘があった2014年以降で最も激しい戦闘が起きている。

 ガザ地区のモスクで行われた礼拝に出席したハニヤ氏は、イスラエル軍がガザ地区に200メートル近く侵入したと非難。「われわれは、新たな紛争を望んでいるわけではないが、いかなる状況下でもこのような侵略は容認しない」と述べた。

 今月4日以降、ハマスをはじめとするパレスチナの武装組織は、イスラエルとの境界沿いとガザ地区に少し入った地点で、イスラエル南部に通じるトンネルを捜索していたイスラエル軍を攻撃し、イスラエルに向けて少なくとも12発の迫撃弾を発射した。一方のイスラエルは「ハマス関連の目標」とするものに対して戦車による攻撃を繰り返している。

 複数の目撃者の証言によれば、イスラエル軍は4日以降、ガザ地区に4回の空爆を実施し、ガザ北部ベイトラヒヤ(Beit Lahiya)と南部ハンユニス(Khan Yunis)付近を攻撃したという。空爆による死傷者は報告されていない。

 イスラエル軍は空爆を1回だけ実施したことを認め、パレスチナ側からの迫撃砲による越境攻撃に報復するため戦闘機が「ハマスがテロを実行するためのインフラ」を標的にしたと発表した。

 しかし医療関係者らは、5日にイスラエル軍の戦車に自宅を攻撃されたパレスチナ人女性(54)1人が死亡し、今回の交戦で初の犠牲者となったとしている。

 イスラエルとハマスは、パレスチナ人2251人とイスラエル人73人が死亡した2014年の交戦後に停戦に合意したが、今回の武力衝突で停戦の先行きが懸念されている。(c)AFP/Adel Zaanoun