【5月6日 AFP】男子テニス、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2016)の1回戦で、やる気のないプレーを見せ敗退した後輩のバーナード・トミック(Bernard Tomic、オーストラリア)について、プロ選手としての自覚を持つよう叱咤(しった)した。

 トミックは問題の試合で、ファビオ・フォニーニ(Fabio Fognini、イタリア)にマッチポイントを握られると、相手のサーブを受ける際にラケットを上下逆に持って、リターンするそぶりすら見せなかった。

 試合後の会見でもまったく反省する様子がなかったトミックは、さらに事態を悪化させるように「あんなマッチポイント、どうでも良かった」と発言。

 トミックは、豪ニューズ・コープ・オーストラリア(News Corp Australia)の取材に対し、自身は数年間のツアーキャリアで、すでに大金を手にしているとすると、「考えてもみなよ。23歳にして1000万ドル(約11億円)以上の価値がある選手が、あんなポイントをいちいち気にすると思う?」とコメントした。

 トミックと頻繁に練習を行うジョコビッチは、同選手が、現在の世界ランク22位より上を目指せることを確信しているという。

「彼が何をしたかは知っている。あんな行動は正しくないし、自分で気づくべきだ」

「早ければ早いほど良い。彼はまだ若手の部類に入るし、間違いなくもっと良い選手になれる。もっと上位を目指せるはずなんだ」

「みんなそれは分かっている。彼自身も分かっているんじゃないかな。でも今の彼は、コート外で正しい振る舞いができていないように思う」

「彼のためになることを祈っている。この数年間、彼と接してきて、良いやつだと思っているんだ。人間的にもね。でも、テニスに対する傾倒が足らないんだ」

「彼の発言の多くは、思慮不足といえる。彼はすぐ感情的になって、つい他のことにも口を出してしまう」

 果たしてトミックは、四大大会(グランドスラム)通算11勝を誇る世界トッププレーヤーの助言を、素直に聞き入れることができるのだろうか。(c)AFP