【5月5日 AFP】(写真追加)南仏への大規模社員旅行で昨年話題をさらった中国の企業グループ「ティエンズ(Tiens)」が、今年は従業員およそ2500人に巨大パエリア付きの1週間のスペイン旅行を振る舞っている。不況のスペインでは地元経済の活性化につながると歓迎ムードだ。

 ティエンズの一行は4日、スペインの首都マドリード(Madrid)に到着した。旅行費用は全額会社持ちで、ティエンズでは1週間の旅行のためホテル1650室、バス70台、高速鉄道4本の全車両を予約。マドリードから中部の古都トレド(Toledo)、第2の都市バルセロナ(Barcelona)を巡る旅費は、総額700万ユーロ(約8億6000万円)に上る。

 ティエンズの声明によれば、中国人が大半を占める一行はマドリードでは巨大パエリア付きのパーティーでもてなしを受け、サングリアで乾杯し、フラメンコのショーを楽しんだという。

 マドリード市は「わが市にとって、この旅行の経済効果は非常に大きい」「毎年30万人の中国人観光客がスペインにやって来て、旅行予算の70%を買い物に費やす。中国人は、スペインの観光業にとって最も利益になる旅行客だ」との声明を発表した。

 ティエンズは中国の富豪、李金元(Li Jinyuan)氏が創業。従業員数は約8000人で、バイオテクノロジーから小売り、観光など幅広い事業を展開している。同社は昨年も従業員6400人のフランス社員旅行で話題となった。(c)AFP