【5月5日 AFP】先月急死した米歌手プリンス(Prince)さんが意識不明で発見される直前、鎮痛薬依存症の専門医が急きょ、プリンスさんを診察する予定を立てていたことが4日、明らかになった。死因解明の新たな手掛かりとなる可能性がある。

 米カリフォルニア(California)州を拠点とするオピオイド系鎮痛薬依存症の専門医ハワード・コーンフェルド(Howard Kornfeld)氏の弁護士、ウィリアム・モージー(William Mauzy)氏によると、プリンスさんが死去する前日の4月20日、関係者から連絡を受けたコーンフェルド医師は、2日後にミネソタ(Minnesota)州にあるプリンスさんの自宅兼スタジオ「ペイズリー・パーク(Paisley Park)」に航空機で急行することになっていた。

 同州ミネアポリス(Minneapolis)で記者会見したモージー氏は、コーンフェルド医師が「自身の任務は救命であり、緊急事態だと認識していた」と語った。

 21日には、コーンフェルド医師のクリニックに依存症の可能性がある患者を紹介していた医学生の息子のアンドリュー(Andrew Kornfeld)氏がペイズリー・パークに到着したが、プリンスさんはその直後に死亡が確認された。

 アンドリュー氏は当初、プリンスさんは不在だと告げられたが、スタッフの1人が叫び声をあげたため、エレベーター内で意識不明の状態で倒れていたプリンスさんを発見した。救急車を呼ぶ緊急通報電話の声の主も、アンドリュー氏だったという。

 モージー氏によると、アンドリュー氏は、サンフランシスコ(San Francisco)にある父親のクリニックで「痛みへの対処法と、依存症にまつわる問題」の治療を受けるよう、プリンスさんに助言するつもりだったという。(c)AFP/Shaun TANDON