【5月4日 AFP】ドイツ保健相は3日、同国が来年早々に医療用大麻(マリフアナ)を合法化する見通しであることを明らかにした。

 ヘルマン・グレーエ(Hermann Groehe)独保健相は、4日に法案を独連邦内閣に提出する。合法化の目的については、「重症患者を可能な限り最善の方法で治療すること」と話した。

 世界の多くの地域では、大麻の使用に関する法規制が緩和されつつあり、がん、緑内障、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)やAIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)、C型肝炎、パーキンソン病などの重篤な病気の症状を和らげるための医療大麻の普及も進んでいる。

 だが、娯楽および医療目的での大麻使用の問題は多くの国々で議論の的となっている。反対派は薬物の乱用と依存症に関連する犯罪の発生を懸念しており、また大麻の使用が、さらに中毒性の強い麻薬への依存につながる恐れもあるとしている。

 グレーエ保健相は、大麻が「無害な物質ではない」ことを認めた上で、大麻を処方箋に基づく場合のみ薬局から入手できるようにすると強調。また、大麻を栽培するための特別な監督下に置かれた栽培施設を整備するまでは、「医療大麻」を輸入する予定と述べた。

 独日刊紙ウェルト(Die Welt)の取材で同保健相は、「同法律が2017年春に施行される可能性は高い」と語った。(c)AFP