【5月3日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2日、世界中に多数の避難民が存在する今日、難民の窮状に対する意識向上に一役買ってもらおうと、アカデミー賞(Academy Awards)の受賞経験もあるオーストラリア人女優、ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)さんを新しい親善大使に任命したと発表した。

 UNHCRの親善大使は、米女優アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんが長く務めてきた役割だ。

 ブランシェットさんは声明で、「大役を任され非常に光栄です」とした上で、「今ほど難民を支援し、連帯を示すことが重要な時はありません」と述べた。

 UNHCRによると、昨年は世界中で6000万人という記録的な数の人々が家を追われ、うち3分の1以上が難民としての生活を余儀なくされているという。

 だが、第2次世界大戦(World War II)以来最大の移民危機に揺れ、外国人に対する嫌悪が広がっている欧州の例にもみられるように、最近では団結心が示されることが少なくなってきている。

 UNHCR は、ブランシェットさんがこの発表に先立ち、シリアでの5年に及ぶ激しい内戦で家を追われた人々を助ける大規模な活動の様子を自分の目で見るとともに、難民の家族らに直接会って話を聞こうと、ヨルダンを訪問したと明かしている。(c)AFP