【4月30日 AFP】ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で3月に起きた連続テロ事件との関連で訴追されたスウェーデン人の容疑者が、爆発物を集合住宅のトイレに捨てたと供述しているとベルギーメディアが29日、報じた。

 スウェーデン人のオサマ・クライエム(Osama Krayem)容疑者(23)は、ブリュッセルの空港と地下鉄のマルビーク(Maalbeek)駅が自爆攻撃され32人が死亡した連続テロ事件に関与したとして8日に身柄を拘束され、翌日に「テロ殺人」の罪で訴追された。

 ベルギー紙、リーブル・ベルジック(La Libre Belgique)によると、クライエム容疑者は、手製の爆薬「TATP(過酸化アセトン)」をマルビーク駅に一度は持ち込んだが、(爆破はせず)事件の容疑者らが拠点としていた集合住宅のトイレに流したという。

 TATPは、市販されている化学薬品から製造できるためイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が好んで使用する爆薬で、結晶形で水に溶ける。こうしたことから捜査当局はクライエム容疑者の供述内容には「信ぴょう性」があるとしている。

 こうした報道に関するAFPの問い合わせに対し、ベルギー検察当局は否定も肯定もしなかった。

 報道によれば、クライエム容疑者は、昨年11月に130人の犠牲者を出したフランス・パリ(Paris)での同時テロにも関与していたとして訴追されている。(c)AFP