【4月29日 AFP】デンマーク玩具大手レゴが昨年、中国政府批判で知られる現代美術作家の艾未未(アイ・ウェイウェイ、Ai Weiwei)氏への同社製品の販売を拒否した問題で、同社副会長のケル・キアク・クリスチャンセン(Kjeld Kirk Kristiansen)氏が28日、販売拒否は社内の「ミス」によって起きたものだったと述べた。

 昨年、「政治的な作品に使用される」との理由で製品の注文が拒否されたことを艾氏が明らかにして以降、レゴ社は、ソーシャルメディアなどで強く批判されていた。注文したレゴブロックは、オーストラリアで展示する作品のマテリアルとして使用するものだった。

 この一件について、創業者の孫にあたるクリスチャンセン副会長は、艾氏からの大量注文を拒否した決定は「社内のミス」によるものだったと釈明。28日の米ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)に掲載のインタビュー記事では、受注を拒否したのが組織下層部の消費者サービス部門だったと述べている。

 これを受けて同社は今年1月、今後は大量注文を受けても、その使用目的について質問しないことを明言。ただ、レゴを使った作品を公共の場で展示する際には、「レゴグループは特定のプロジェクトを支援したり公認したりしない」ことを明記するよう購入者に促す方針を発表していた。

 艾氏は、その民主化支持や人権擁護のスタンス、さらには政府への批判から、中国当局から常に監視の対象とされてきた。(c)AFP