【4月29日 AFP】中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会は28日、外国の非政府組織(NGO)に対して新たな規制を課す内容で物議を醸している「海外NGO国内活動管理法(Law on the Management of Foreign NGO Activities)」を成立させた。外国の慈善団体に対する広範な権限を警察に与え、団体の国内での職員採用や資金集めを禁止するもので、米国は「深い懸念」を表明している。

 全人代の報道担当官が記者団に語ったところによると、新法は賛成147票、反対わずか1票のほぼ全会一致で可決された。来年1月に施行される予定だ。

 全人代が配布した文書によると、同法下では、すべての外国NGOの登録を承認する権限が警察に与えられ、「国益を損なう」あるいは「社会の利益を脅かす」団体の登録は取り消される。また、「分離主義的」または「国家機関を転覆する」行為を犯したり、「うわさ」を広めたりしたと判断された団体は活動が禁止される。

 中国では、「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」などの開発支援組織を含む少なくとも1000の外国NGOが活動していると考えられている。

 米国家安全保障会議(NSC)のネッド・プライス(Ned Price)報道官は声明で、同法は中国の市民活動をさらに制限するものだとして、懸念を表明。「中国に対し、人権擁護活動家、ジャーナリスト、企業グループ、開発専門家など、すべての市民社会構成員の権利と自由の尊重を、強く求める。これには、中国で活動する外国NGOの能力保護も含まれる」と述べた。(c)AFP/Tom HANCOCK