【4月20日 AFP】失聴の恐れからワールドツアーを途中で降板したオーストラリアのロックバンド「AC/DC」のボーカル、ブライアン・ジョンソン(Brian Johnson、68)は19日、自らの音楽キャリアは終わっていないとの声明を発表した。AC/DCのツアーをめぐっては、米バンド「ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)」のアクセル・ローズ(Axl Rose)が代役を務めると発表されたばかり。

 ジョンソンは、ツアーをこのまま続けると完全に聴覚を失うとの医師の忠告を受け、先月に降板を決めた。1980年にAC/DCに加入したジョンソンの激しいボーカルは、バンドの大きな特徴ともなっていた。

 降板後初めて発表した声明でジョンソンは、人生で最悪の精神的苦悩を経験していることを明らかにし、現在は治療中だがいずれステージに戻ることを望んでいると述べた。 「ファンに対し、僕は引退していないことを断言したい。スタジオでの録音は続けられると医師に言われた。そうするつもりだ」

 AC/DCは16日、ジョンソンと同様の激しさを持ち、その音域がより広いローズを代役のボーカルとして迎えツアーを続けると発表。その直後には、米音楽フェスティバル「コーチェラ(Coachella)」に出演したガンズ・アンド・ローゼズのステージに、AC/DCのギタリスト、アンガス・ヤング(Angus Young)が飛び入りで参加。代表曲の一つ「ホール・ロッタ・ロージー(Whole Lotta Rosie)」を演奏した。

 ジョンソンは、「ファンの人たちは、最高レベルのパフォーマンスを楽しむ資格がある。何らかの理由でそのレベルが維持できないのであれば、僕はファンを失望させたり、AC/DCの他のメンバーに恥をかかせたりすることをしないつもりだ」と語った。(c)AFP