【4月20日 AFP】プロサイクリスト協会(CPA)のジャンニ・ブーニョ(Gianni Bugno)会長は、隠しモーターが発覚した選手について、永久追放などの厳しい処分を科すべきだと主張した。

 先月行われた自転車ロードレースのストラーデ・ビアンケ(Strade Bianche)とコッピ・エ・バルタリ(Coppi e Bartali)で、技術ドーピングが行われていた可能性があるとする報道を受け、現役時代にUCIロード世界選手権(UCI Road World Championships)を2度制し、ジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia)で2冠を達成した経験を持つブーニョ氏は、伊日刊紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)の取材に応じた。

 ブーニョ氏は、国際自転車競技連合(UCI)対して、不正行為の取り締まりや、撲滅に向けた対策の強化を要求しており、「CPAはUCIに対し、不正をはたらいた選手を永久追放にするなど、見せしめとなるような厳しい制裁を科すことを求めている。違反者は、正々堂々とレースを行っている大多数の選手に泥を投げつけたに等しいからだ」と述べた。

 フランスのスポーツ番組「スタッド2(Stade 2)」は、熱源を感知するサーモグラフィーを使って、自転車にモーターが使用されていることを確認したとしている。

 自転車ロードレースでは、かなり以前から隠しモーターが使用されているという臆測が飛び交っているが、これまで実際に不正が発覚したのは、U-23女子のシクロクロス選手、フェムケ・ファン・デン・ドリエッシュ(Femke van den Driessche、ベルギー)のみとなっている。

 ブーニョ氏は、サーモグラフィーによる検査を提案したと明かしたが、UCIは、現在の検査方法より有効だという確証は得られないとして、否定的な態度を示した。

「これまでサーモグラフィー、X線写真、超音波による検査方法も検証してきたが、現段階で最も費用対効果が高く、信頼性があり正確なのは、磁気共鳴による検査方法だ。このソフトウエアは、開発の専門企業と協力してわれわれが作った」

「画像解析にはタブレット端末を使用し、1分以内に自転車のフレームとタイヤを調べることができる」

「今年は(ツール・デ・フランドル〈Tour des Flandres 2016〉で216回、パリ~ルーベ〈Paris-Roubaix 2016〉で224回に上る)多くの検査を行っており、シーズンを通して、すべての大会で厳しい検査を続けていく。チームや選手からも協力を得ており、こうした検査規模の拡大は順調に進んでいる」

(c)AFP