【4月18日 AFP】中国の楼継偉(Lou Jiwei)財政相は17日に米紙に掲載されたインタビューで、米大統領選の共和党候補指名争いで首位に立つドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を「非理性的なタイプ」と呼び、同氏の中国に対する貿易戦争呼びかけを非難した。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、同財政相は、中国製品に対して最高45%の輸入関税を課すというトランプ氏の提案が実現されれば、米国は「世界の指導者である資格をなくすだろう」と述べた。

 トランプ氏は選挙戦で中国をしばしば攻撃の対象とし、同国が通貨の操作を行っていると非難。中国製品に高い関税をかけ、通商協定を再交渉し中国の「姿勢を正させる」と主張している。

 楼財政相は、国際通貨基金(IMF)と世界銀行(World Bank)の会合で米ワシントン(Washington)に滞在中。中国指導部における歯に衣着せぬ一人として知られている。

 WSJによると、全面的な関税引き上げは世界貿易機関(WTO)の規則違反となることがほとんどだという。

 選挙戦で共和党と民主党は中国を悪者にしているが、楼財政相は、米国人は米中両国が「相互に依存しており」、貿易戦争になると失うものが多いことを理解すべきだと指摘。「われわれの景気循環は絡み合っており」、「相違点よりも共通点の方が多い」と述べた。(c)AFP