【4月17日 AFP】アフガニスタンの復興予算削減を目指している米議会小委員会が、米国防総省がアフガニスタンの復興支援として数百万ドルの予算をつぎ込んだカシミヤヤギの交配プロジェクトは失敗に終わったとして同省を批判している。

 15日、米下院軍事委員会(House Armed Services)行政監視および調査小委員会(Subcommittee on Oversight and Investigations)に提出されたジョン・ソプコ(John Sopko)米アフガニスタン復興担当特別監査官(SIGAR)氏の書面による証言は、同委員会の議員らを驚かせた。

 証言は米国防総省主導のアフガニスタン復興プロジェクトに関するもので、これはイタリアとタジキスタンからヤギを輸入して地方部の農場で交配させ、アフガニスタンのカシミヤ生産を増やす計画だった。しかし一部のヤギは、全滅を招きかねない致死性の伝染性腸炎、ヨーネ病に感染していたことが報告された。さらに農場自体も適切な放牧を行うには小さすぎたことが明らかにされた。

 民主党のジャッキー・スパイアー(Jackie Speier)下院議員は、時事問題を扱った番組のネタになりそうだと皮肉り、「暖かくてふわふわしたセーターの生産は、アフガニスタン経済復興の鍵ではないし、(国防総省の)専門分野でもない」と批判した。

 610万ドル(約6億6000万円)を割り当てたヤギプロジェクトについてソプコ氏は、アフガニスタンでの浪費を示す一例であり、アフガニスタンの経済開発に対する米政府の「場当たり的な」取り組みだと繰り返し指摘してきた。米軍のアフガニスタン駐留中に同国での戦闘と復興に米政府が費やしてきた費用は約1兆ドル(約110兆円)に達している。(c)AFP