【4月16日 AFP】ラグビーイングランド代表のエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)は15日、シックスネーションズ(Six Nations Rugby 2016)で全勝優勝(グランドスラム)を果たした選手の慢心に不快感を示し、数人をオーストラリア遠征に帯同させない可能性を示唆した。

 シックスネーションズ制覇に貢献した4、5人の選手が所属クラブでみせているパフォーマンスに不満を募らせているジョーンズHCは、6月に行われるワラビーズ(Wallabies、オーストラリア代表の愛称)との3連戦で代表落ちする選手の名指しこそ避けたものの、その選手は残りのシーズンで信頼を回復しなければならないと明言した。

 ジョーンズHCは「シックスネーションズで起用した選手は、現時点で27人から28人が卓越したプレーを披露している。しかし、そうではない選手が4、5人いる。彼らにはプレーに対するアプローチを変えない限り、遠征には連れて行かないと言っておく」と語った。

「彼らのプレーに満足はしていない。態度を改めない限り、彼らをツアーには連れて行かない。才能ではない。態度だ。彼らは所属クラブのために体を張っていない」

 報道陣から問題の選手と話をしたのかと問われると、ジョーンズHCは「彼らはどこからかこのメッセージを受け取ることになる」と答えている。

「彼らが事態を好転させることを願っている。いつもそう願っている。選手はこれがイングランド代表に選ばれる契約の一部であることを理解しなければならない」

「オーストラリア代表で指揮を執っていた2004年に、ブリスベーン(Brisbane)でイングランドから51得点を奪った。われわれは彼らが夜にパブで酒を飲んでいたことを知っていたからだ」

「もしそういう態度の選手がいるのであれば、その時点で彼らは代表に選ばれない。単純な話だ」

■ヒーローを求めるイングランドの国民性

 ジョーンズHCはイングランドが2003年以来のグランドスラムを達成したことで勘違いしている選手を把握しており、態度を改めない限り、彼らの代表でのキャリアを終わらせることにためらいはないとしている。

「誰が(代表落ちの)リストに載っていても驚かない。彼らには代理人がいて、彼らがいかに素晴らしいかを吹聴する取り巻きがいる。新聞を読んでテレビのコメンテーターの発言を聞いている」

「これはイングランドのラグビー界において最も難しいことの一つだ。それは誰もがヒーローを求めているということだ。それが現実だ。ヒーローは彼らの頭を満たしてくれる」

「代理人は『この靴を履け、あいつは面倒を見てくれるぞ、お前は最高だ』などと言い聞かせる。代理人は口が達者だ。背中をたたいて褒めてくれる。だから選手は勘違いしてしまう」

「そういった選手が何人かいる。以前とは別人だ。彼らは自分自身を理解しなければならない。そうでなければイングランド代表のキャリアは良い思い出になるだろう」

(c)AFP