【4月16日 AFP】シリア北部アレッポ(Aleppo)周辺で15日、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権側の部隊と反政府武装勢力などが激しい戦闘を繰り広げた。新たに数万人が避難を余儀なくされ、スイス・ジュネーブ(Geneva)で再開された和平協議に水を差しかねない事態となっている。

 複数の戦線での武力衝突による政権側、反政府側の死者はこの1週間で200人を超え、今年2月27日に発効した一時停戦も危うい状況だ。

 在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、アサド政権の部隊と政権側民兵はアレッポの南東でイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」と、北郊で国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系武装組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」およびそれと組む反体制派とそれぞれ衝突した。

 アサド政権の代表団は同日、国連(UN)の仲介による和平協議で間接的に反政府勢力と協議するためジュネーブに入った。

 シリア反体制主流派の最大組織「高等交渉委員会(HNC)」はAFPに対し、アサド政権の閣僚らが加わった暫定政権に参加する用意があると語った。シリア国内ではアサド政権の支配地域下で人民議会選挙の投票が13日に行われたばかり。

 和平協議の仲介役を務めるスタファン・デミストゥラ(Staffan de Mistura)国連特使は15日、アサド政権およびHNC側の代表団とそれぞれ個別に会談を行った。

 政府側代表団を率いるバシャール・ジャファリ(Bashar al-Jafaari)シリア国連大使によれば、会談は「建設的で実り多い」ものだったという。18日にはデミストゥラ特使との2度目の会談が予定されている。(c)AFP/Serene Assir、Layal Abou Rahal