【4月15日 AFP】14日に行われたサッカーヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2015-16)準々決勝第2戦で、ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)から勝利を収めたリバプール(Liverpool FC)のユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督は、トルコ・イスタンブール(Istanbul)で行われた欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)で、劇的な勝利を収めたかつてのチームの魂を、選手に思い起こさせていたことを明かした。

 この日、リバプールは0-2とリードを許してハーフタイムを迎え、2戦合計スコアも1-3とされていた。そこでクロップ監督は、2005年5月に行われたチャンピオンズリーグ決勝のACミラン(AC Milan)戦で、当時の主将スティーブン・ジェラード(Steven Gerrard)がチームメートを奮い立たせ、0-3の劣勢からPK戦の末に優勝を飾った記憶に残る一夜について、選手たちに語った。

 するとリバプールは後半、徐々に点差をつめると、最後はデヤン・ロブレン(Dejan Lovren)がロスタイムに決勝点を決め、本拠地アンフィールド(Anfield)は大騒ぎの中で試合終了を迎えた。

 かつて率いたクラブからの白星についてクロップ監督は「ハーフタイムの雰囲気は良かった。正直なところ、私は試合自体には満足していた。失点ではなく、試合全般にね」と語った。

「選手たちにはこう伝えた。『私はそこにはいなかったが、今テレビで解説をしているような少し年かさのリバプールの選手たちは、ハーフタイムで0-3という状況からチャンピオンズリーグの決勝で勝ったんだ』と」

「現実に起こりそうにないとしても、可能なことは確かで、トライしなければならない」

「得点が決まった時、誰もが分かったはずだ。スタジアムの中では何かが起こると。それを耳にして、それを感じて、それを嗅いでいた」

 後半に入り1点を返した後、再びドルトムントの得点を許して1-3とされたことでリバプールは勢いをそがれてしまったが、クロップ監督は、その後に見せた反応はチームの個性の奥深さを語るものだったとコメントした。

「ああいった瞬間がサッカーや人生の中で、自分たちの個性を発揮するべき場面だ。選手はそれをやってのけた。見ていてとても胸がすいた」

「もちろん、レベルの高いチームを相手にした試合で逆転勝利を収めるには運も必要だ。それでも、試合を見た人全員が『ふさわしい』と言ってくれるに違いない」

(c)AFP