【4月14日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は13日、メルドニウム(Meldonium)が人体から排出されるまでどれほどの時間がかかるかがはっきりとしていないため、同薬物を摂取したスポーツ選手の処分が取り消される可能性を示した。

 WADAによると、今年1月1日に禁止薬物となったメルドニウムの陽性反応は、女子テニスのマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)を含め、これまで172件の検体から検出されている。

 特にロシアはこのメルドニウム問題で打撃を受けており、同国の陸上選手や水泳選手40人がこれに含まれている。

 WADAは、心臓病や糖尿病の治療に用いられるとともに、運動能力向上にも効果があるメルドニウムについて、「排出時間に関する明確な科学情報が現在のところはない」とし、「この状況から、WADAは選手側に落ち度や過失などがない理由の可能性を考慮している」という。

 WADAは、検査が今年3月1日より前に行われ、メルドニウムの検出量が1~15マイクログラムである場合、あるいは、検査が今年3月1日より後に行われ、メルドニウムの検出量が1マイクログラム以下である場合は、処分が保留となる可能性を示唆している。WADAはいつ薬が摂取されたかを断定するためには、研究の必要があるためだとしている。(c)AFP