【4月14日 AFP】(更新)米疾病対策センター(CDC)は13日、蚊が媒介するジカウイルスについて、脳の発達に異常が生じる小頭症などの先天異常の原因であると断定したと発表した。

 この結論は、ジカ熱の流行に伴い新生児の先天異常が急増しているブラジルで行われた一連の研究結果などに基づいたものだという。小頭症とジカ熱との関連をめぐっては、数か月にわたり議論が続いてきたが、結論は出ていないかった。

 米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載された報告書の中でCDCは、両者の因果関係を示す決定的証拠があるわけではなく、「最近発表された多数の研究結果で示された証拠と、確立された科学的基準を用いた慎重な評価」に基づき今回の結論に達したとしている。

 CDCのトム・フリーデン(Tom Frieden)所長によると、今後、「ジカウイルスに感染した母体から生まれた小頭症の子どもたちが、脳の損傷などの発達上の問題でわれわれが目にしているものの氷山の一角なのかどうかを判断する」ためのさらなる研究が行われる予定。

 ジカウイルスは1947年、ウガンダで初めて確認されたが、同ウイルスに関する研究は進んでいなかった。感染しても症状は軽度の発疹、関節痛、発熱などにとどまることが多く、感染者の大半には自覚症状がない。

 これまで、蚊が媒介するウイルスで、先天異常の原因として知られているものはなかった。先天異常増加の原因として最後に判明していた病原体は風疹ウイルスで、50年以上前のことだった。(c)AFP/Kerry SHERIDAN