【4月13日 AFP】ロシアの富豪でベンチャー投資家のユーリ・ミルナー(Yuri Milner)氏と、英宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング(Stephen Hawking)博士は12日、地球に最も近い恒星系のアルファ・ケンタウリ(Alpha Centauri)星系を目指す、野心的な最新の宇宙計画を発表した。

 ミルナー氏とホーキング博士は、冒険的な研究計画に取り組んでいる科学者らのチーム「ブレークスルー・スターショット(Breakthrough Starshot)」の陣頭指揮を執っている。同計画では、超小型で超軽量の宇宙船「ナノクラフト(nanocraft)」の船団を製作する。

 計画の目的は、携帯電話ほどの大きさの、光を推進力とするミニ宇宙船の船団を、地球から4.37光年(約41兆キロ)の距離にあるアルファ・ケンタウリに送り込むことだ。

 この距離は現在最速の宇宙船でも3万年かかると考えられるが、チームの推算では打ち上げから約20年で星系に到達できるという。

 ミルナー氏は、米ニューヨーク(New York)のマンハッタン(Manhattan)で開かれた記者会見で「ご存じの通り宇宙旅行は時間がかかる。どうすればより速く、より遠くへ行けるか。われわれはこの大きな飛躍をどのようにして達成できるだろうか」と語った。同氏は手始めに1億ドル(約110億円)を今回の計画に投資する予定だ。