■性別の壁を乗り越えて

 女性ドライバーを支援、育成する「miNami aoYama Project」から、小山と共に出走する21歳の今橋彩佳(Ayaka Imahashi)は、フォーミュラについて「両親は関心があったわけではないので、最初は危険だと言って反対していました」と言う。

 高速でのレースが「楽しいとしか思わない」とした今橋は、「レーシングスピードで走っていると、コーナリングも100キロ超になる。その状態でスピンして壁にぶつかると、すごい衝撃になってしまうから、危険ではあるのですが、楽しくてしょうがない」と話した。

「昨年のレースに両親を招待したら、自分が走っている姿を見て、頑張れと言ってくれた」

「お母さんはレースを見ながら、危ないと言って泣いてしまった。完走して、無事に帰ってきて良かったと言われました」

 小山と今橋は、熱狂的な車好きやレースファンには見えないが、富士スピードウェイでは男性ドライバーとしのぎを削り、一歩も引けを取らない。

 それでも過去には、女性だからという理由で嫌な思いをしたこともあったようだ。

 小山は、「小さいころは、女だからといってぶつけられたり。言葉だけじゃなくて、対等にレースをしてもらえなかった。女だからと言われるのが大嫌い」と明かした。

「同じスポーツ、カテゴリーで戦っているのだから、男には負けちゃいけないし、関係ないという気でやってきた。結果も伴えば、女だという意識もされなくなる」