【4月10日 AFP】ベルギーの検察当局は9日、フランス・パリ(Paris)の同時テロ事件の容疑者として前日ブリュッセル(Brussels)市内で拘束したモハメド・アブリニ(Mohamed Abrini)容疑者を「テロ殺人」の容疑で正式に逮捕したと発表した。検察によると、同容疑者はブリュッセル国際空港(Brussels Airport)で自爆犯2人と共に映像に捉えられた「帽子の男」であることを自供したという。

 9日はアブリニ容疑者に加え、男1人がブリュッセルの地下鉄で発生した自爆事件に関連して「テロ殺人」容疑で、男2人がアブリニ容疑者ら2人を支援した容疑でそれぞれ正式に逮捕された。9日に逮捕された4人はいずれも前日の8日にブリュッセル市内で拘束されていた。一方、アブリニ容疑者と共に拘束された別の男2人は9日に釈放された。

 ベルギー検察の声明は「パリの襲撃事件を担当しているテロ専門の判事が、モハメド・アブリニ容疑者の勾留を決定した」「同容疑者は、テロ組織の活動参加とテロ殺人の容疑で逮捕された」としている。

 ベルギー検察はその後の声明で、専門家が検証した防犯カメラ映像などを使ってアブリニ容疑者を尋問したところ「同容疑者は、テロ犯行現場にいたことを認めた。ジャケットはごみ箱に捨て、帽子は売ったと供述した」と明らかにし、「アブリニ容疑者はブリュッセル国際空港でのテロ攻撃の現場にいた3人目の男」だったと述べた。

 モロッコ系ベルギー人のアブリニ容疑者は、昨年11月のパリ同時テロ事件で生存する最後の容疑者とみられている。同容疑者は事件の2日前にパリの北のガソリンスタンドで、既に逮捕されフランスへの身柄引き渡しを待つサラ・アブデスラム(Salah Abdeslam)容疑者と一緒にいたところを目撃されていた。(c)AFP/Lachlan CARMICHAEL