【4月9日 AFP】ポルトガルでジャーナリスト2人に対し、交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)で「平手打ち」すると脅したことで批判を巻き起こした文化相が8日、辞任した。

 ポルトガル元大統領の息子でもあるジョアン・ソアレス(Joao Soares)文化相は、主要紙プブリコ(Publico)の社説で辛らつに批判されたことを受け、ジャーナリストのアウグスト・セアブラ(Augusto Seabra)氏とバスコ・プリード・バレンテ(Vasco Pulido Valente)氏を激しく非難し7日朝、フェイスブックの自身のページに「平手打ちしてやった方が、彼らのためになるだろう」と投稿した。

 この投稿はたちまちインターネット上で怒りと批判を巻き起こし、ソアレス文化相の辞任を求める声が広がった。ソアレス文化相は後で「意見に対してではなく、侮辱に対して反応したまでのことだ」と弁明したが、アントニオ・コスタ(Antonio Costa)首相は2人のジャーナリストへの謝罪を余儀なくされた。

 ソアレス文化相は8日、LUSA通信を通じて声明を発表し「政府とその左派的政治プロジェクトへの深い連帯」を理由に、文化相辞任を発表した。

 ソアレス文化相を憤慨させたセアブラ記者の記事は、ソアレス氏の文化相への就任は「不可解」だと論じ、同氏の政務運営は「縁故主義で独裁的、しかも粗末」と表現していた。(c)AFP