【4月7日 AFP】世界各国の要人や著名人らがタックスヘイブン(租税回避地)を利用していたことが明るみに出た「パナマ文書(Panama Papers)」スキャンダルで、引き金となった内部文書流出元の法律事務所の活動の3分の1近くが、中国本土と香港(Hong Kong)に置かれている同事務所の支所で行われていたと、複数のメディアが7日、報じた。アジアの大国中国が、腐敗と資本逃避問題で大きく揺れている。

 1150万点の文書について1年かけて調査を行ってきた国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)によると、パナマの法律事務所モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca)の現在活動中のペーパーカンパニー1万6300社以上が、同事務所の香港と中国本土の支所を通じて設立されていたという。

 ICIJの調査では、中国共産党の最高指導部に当たる政治局常務委員会のうち、現職または元委員少なくとも8人の親族が、オフショア企業の利用に関与していたと指摘されている。

 オフショア企業自体は違法ではなく、合法的な事業活動に活用されることもある。一方で、不正に取得した利益を国外に極秘に移すために悪用することも可能で、汚職事件に絡んでいるケースも少なくない。(c)AFP