【4月6日 AFP】インドネシアの首都ジャカルタ(Jakarta)にある空港の滑走路で4日夜、旅客機2機が接触する事故があった。1機は翼が損壊して火災が発生。乗客の一人によると、機内には燃料の臭いが充満し、死ぬことを恐れた乗客らの間にはパニックが広がったという。

 事故があったのはハリム・ペルダナクスマ(Halim Perdanakusuma)国際空港。乗客49人と乗員7人を乗せたバティック・エア(Batik Air)の旅客機が離陸直前、滑走路にけん引されていたトランスヌサ(TransNusa)航空機に接触。衝突で翼の一部が折れて火災が起きた。

 乗客だった男性は5日、AFPの取材に「火が見えたときは思わず『この飛行機の中で死ぬんだ』という言葉が出た」と振り返った。

 乗客らは翼が炎上しているのを見て「火事だ!」と叫び、今にも爆発するのではないかという不安から乗務員に非常口を開けるよう要求したという。

 機長が離陸を中止した後、機体は急停止し、乗務員が非常口を開けて乗客は無事避難した。負傷者はいなかった。

 インドネシア運輸省は事故原因の調査に着手したことを明らかにするとともに、安全に関するガイドラインが順守されていなかったことを認めた。(c)AFP