【4月5日 AFP】米インターネット大手グーグル(Google)は4日、同社のオンラインストアに登録されたアフガニスタンの旧支配勢力、タリバン(Taliban)のスマートフォン(多機能携帯電話)向けアプリを削除したと発表した。情報技術に精通するタリバンが、世界的な知名度向上を図り活動を活発化させていることに対処したかたちとなった。

 タリバンは1日、同組織のプロパガンダ声明や動画を閲覧できるパシュトゥ語のアプリ「Alemarah」をオンラインストアのグーグルプレイ(Google Play)に登録。スマホアプリへの進出を図ったが、米テロ組織監視団体「SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)」が発見、最初に報告した。

 タリバンはすでに、ソーシャルメディア上で強固な存在感を示しており、英語を含む5言語に対応するウエブサイトも運営している。だが、登録から1日も経たないうちに、このアプリはグーグルプレイからダウンロードできなくなったと、グーグルが声明で確認した。

 かつては教養のない暴力的な組織とみられていたタリバンだが、今では広報チームを発足させ、戦闘員の勧誘や情報発信にデジタル技術やソーシャルメディアを駆使するようになっている。

 ただ、その活動は、ソーシャルメディアを積極的に活用し数多くの外国人戦闘員をイラクやシリアに勧誘しているイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」と比べると影が薄い。ISは、徐々にアフガニスタンへも進攻している。(c)AFP