【4月3日 AFP】(更新、写真追加)アルメニアとアゼルバイジャンの境界にある係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)で2日、両国による軍事衝突が再発し、両国軍合わせて少なくとも30人が死亡した。ロシアと欧米諸国は即時の停戦を要求している。

 アルメニアのセルジ・サルキシャン(Serzh Sarkisian)大統領は2日、アルメニアが支援する分離派武装組織がアゼルバイジャンの領地を制圧後、1994年に停戦が合意されて以降としては「最大大規模の軍事衝突」が発生し、アルメニア軍兵士18人が死亡、約35人が負傷したと述べた。

 サルキシャン大統領は、死亡したのが同国政府の支援を受けており、独立を宣言したが国際的に承認されていないナゴルノカラバフ分離派武装組織戦闘員なのか、同国軍兵士なのかについては言及しなかった。

 これに先立つ同日、アゼルバイジャン国防省は同国軍のヘリコプターが撃墜され兵士12人が死亡したと発表していた。

 両国は、一触即発の状態にあった境界線を越えて砲撃してきたと互いに相手方を非難した。激化した戦闘の中で、両国の民間人各1人も犠牲になったという。

 アルメニアは、アゼルバイジャンが1日夜「戦車や大砲、戦闘ヘリコプターを使用してナゴルノカラバフ前線沿いで大規模な攻撃を仕掛けた」と非難したが、アゼルバイジャンは(アルメニアからの)「大口径の火器とグレネードランチャーによる攻撃を受けたため応戦した」と主張している。

 サルキシャン大統領は、2日夜も戦闘が前線の「北と南で続いている」と述べたが、「ナゴルノカラバフの兵士が状況をコントロールしている」と述べた。