【3月31日 AFP】ミャンマーの与党・国民民主連盟(NLD)が31日、党首のアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏のために「国家顧問」という役職を新設する提案を議会に提出することが分かった。複数の議員が明らかにした。スー・チー氏に、大統領と議会との調整役を担える実権を付与する狙いがあるという。

 軍政時代に制定されたミャンマーの現行憲法は外国籍の家族がいる人物の大統領就任を禁じているため、大統領になれないスー・チー氏は、側近のティン・チョー(Htin Kyaw)大統領を「代役」として政権を運営していくと言明している。新政権では外相、教育相、エネルギー相、大統領府相という4つの閣僚ポストを兼任する。

 NLDの草案はスー・チー氏の名を挙げ、同氏に「議会運営に関して助言する責務」と、予算や必要に応じた会議の招集権を与えるとしている。

 新設される役職は、他国の政治制度における首相に類似したもので、任期は大統領と同じ5年。これによりスー・チー氏は、閣僚就任のために議員を失職した後も立法参加が可能となる。

 この草案は31日に上院に提出され、数日中に承認される見通しだという。(c)AFP