【3月30日 AFP】テニスのマイアミ・オープン(Miami Open 2016)に出場しているニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)が29日、テニスは「偏見まみれの終わったスポーツ」だと、競技そのものを批判する言葉を口にした。

 キリオスは同日行われた4回戦で、世界ランク51位のアンドレイ・クズネツォフ(Andrey Kuznetsov、ロシア)を7-6、6-3で退け、オーストラリア勢としては、2002年のレイトン・ヒューイット(Lleyton Hewitt)以来となる8強入りを果たした。

 ところがこの日のキリオスは、第1セットにかんしゃくがさく裂。きっかけは、ボールパーソンが投げてきたボールをスタンドにたたき込んだキリオスに、審判が規定違反だと注意したことだった。

 これを受けて、キリオスはチェンジエンドの際に審判に詰め寄り、わざとやったわけではないと訴えると、四大大会(グランドスラム)優勝14回のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)をはじめとするスター選手が同じことをしたなら、見逃したはずだと不満をこぼした。

 キリオスは、「他の誰か、たとえばラファみたいな選手だったら、おとがめなしだったくせに。偏りまくった目で見やがって。みんな分かっているんだ。このスポーツが偏見まみれだってな。他にも隠しておきたいことはあるか? 終わってる。本当に終わってる」と発言していた。

 試合後のキリオスは、発言を撤回するつもりはないとだけコメントしている。

 20歳のキリオスは、トップ30では最も若い選手で、今季はここまで13勝3敗とキャリア最高のスタートを切り、2月にはオープン13(Open 13 Provence 2016)を制してATPツアー初タイトルを手にした。

 一方では、昨年のロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2015)でスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)の恋人を侮辱するような暴言を放ち、テニス界から批判の集中砲火を浴びたことをはじめ、問題発言を繰り返している選手でもある。

 キリオスは準々決勝で、大会第12シードのミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)と対戦する。(c)AFP