【3月30日 AFP】南米コロンビアのジャングルで、部隊からはぐれて行方不明になっていたコロンビア兵が23日ぶりに発見された。カメを生のまま食べたり、ラップを歌って自分を励ますなどして生き延びたという。コロンビア軍が29日、明らかにした。

 救助されたのはイェフェル・オルランド・サンチェス・フォンセカ(Yefer Orlando Sanchez Fonseca)氏(26)。今月5日、左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」などが拠点とする中部メタ(Meta)県のうっそうとした熱帯雨林を巡視中に、所属部隊とはぐれていた。

 軍によると、500人以上の兵士を動員して一帯をくまなく捜索していたところ、28日午前になって1人の兵士がサンチェス氏を偶然発見した。全身汚れにまみれ、失神寸前だったという。

 サンチェス氏は地元ラジオ局のインタビューで、道に迷ったときは食料も水も携行していなかったが、「軍で受けたサバイバル訓練のおかげで、猿が食べるものなら人間でも食べられることを知っていた」と語った。

 種子などを食べてしのいだといい、アカアシガメが「おいしい」ことにも気づいたという。

 地元紙エル・ティエンポ(El Tiempo)によれば、サンチェス氏は気がくじけないようにラップを口ずさんでいた。同氏が普段からラップを歌って気分を盛り上げるのは、兵士仲間の間でも知られていたという。(c)AFP