【3月29日 AFP】(更新)米検察当局は28日、カリフォルニア(California)州サンバーナーディーノ(San Bernardino)で昨年12月に起きた銃乱射事件の容疑者が所有していた「iPhone(アイフォーン)」のロック解除に、米連邦捜査局(FBI)が成功したと発表した。大きな論争を巻き起こした米政府とアップル(Apple)との法廷闘争は終結することになった。

 アイリーン・デッカー(Eileen Decker)連邦検事は声明で、「第三者の協力を最近得て、保存されている情報を全く損なわずにこのiPhoneのロックを解除できるようになった」として、訴訟の打ち切りを決めたことを明らかにした。

 連邦検察は訴訟取り下げのため法廷に提出した書類で、昨年12月2日にサンバーナーディーノで起きた銃乱射事件で警察に射殺されたサイード・ファルーク(Syed Farook)容疑者のiPhoneのロック解除に米政府が成功し、「アップルの協力はもはや不要になった」と説明している。

 アップルはこれまで、セキュリティーやプライバシーに広範な影響を及ぼすとして、米政府への協力に頑強に反対。米グーグル(Google)や米フェイスブック(Facebook)といったIT大手もアップルへの支持を表明していた。

 FBIに協力した「第三者」の正体は不明だが、犯罪捜査技術を手掛けるイスラエル企業が協力した可能性が報じられている。(c)AFP