【3月25日 AFP】ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で22日に起きた連続テロ事件で、空港で自爆したとみられるナジム・ラーシュラウイ(Najim Laachraoui)容疑者の弟である同国のテコンドーチャンピオンが24日、兄の事件への関与を「強く」非難した。

 弟のムラド・ラーシュラウイ(Mourad Laachraoui)さんは、兄が、31人が死亡し約300が負傷したブリュッセルのテロ事件の自爆犯の一人だと聞いて打ちのめされたし、記者会見で「動揺し衝撃を受けた。兄だとは信じたくなかった。だが、自分の家族は選べない」と語った。

 ムラドさんによると、兄のナジム容疑者が2年以上前にベルギーを離れてシリアに渡って以来、兄弟の間で接触はなかったという。

 同容疑者についてムラドさんは、まったく普通の若者で、イスラム教の教えを実践していたが、過激派に成り下がってしまったことは家族を驚かせたと話し、「兄はいい男だったし、とりわけ賢かった」、「サッカーを少しやり、読書もしていた」と付け加えた。

 ナジム容疑者は、22日にブリュッセルの空港で自爆した2人目の容疑者として警察筋に特定されたほか、昨年11月に130人が死亡したフランス・パリ(Paris)での同時テロ事件で使われた爆弾を製造した疑いも持たれている。

 24日に発表した声明でムラドさんは、「ムラド・ラーシュラウイは、兄の行動とフランスやベルギーで兄が関与した攻撃を断固として非難する」と述べた。

 ムラドさんは、昨年5月にロシアで行われた(テコンドーの)世界選手権のベルギー代表。また、韓国で行われた同7月のユニバーシアードでは、銀メダルを獲得している。(c)AFP