【3月25日 AFP】ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で起きたイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」による連続自爆テロ事件をめぐり、情報対応を誤ったとして強い批判にさらされていた内相と法相が24日、その「過失」を認め、辞意を表明した。

 空港で自爆したブラヒム・バクラウィ(Ibrahim El Bakraoui)容疑者は、過去にシリア国境付近でトルコ当局により逮捕され、昨年7月にオランダへ強制送還されていた。トルコ政府は、その際ベルギーに対し同容疑者は「テロリストの外国人戦闘員」だとして警戒を促していたにもかかわらず、その情報が無視されたと主張している。

 ヤン・ヤンボン(Jan Jambon)内相とコーエン・ギーンス(Koen Geens)法相はこれを受けて辞意を表明したが、シャルル・ミシェル(Charles Michel)首相は受理しなかった。

 一方、ブラヒム容疑者の弟で、地下鉄で自爆したハリド・バクラウィ(Khalid El Bakraoui)容疑者について、検察当局は、パリ同時テロに絡んで国際指名手配されていたことを認めた。同容疑者は、ベルギーのシャルルロワ(Charleroi)市でパリ同時テロ実行犯らが使用していたアパートを借りていた人物だったとされる。

 ベルギーは連続テロ後に国内のテロ警戒レベルを最高度の「4」に引き上げていたが、これを24日に1段階下げて「3」に戻した。

 しかし、捜査当局は現在も、空港で自爆に失敗した3人目の容疑者と、地下鉄駅でハリド容疑者と話している姿が防犯カメラに写っていた男の行方を追っている。主要な場所には兵士らによる警備が続いており、街は不気味なまでに静まり返り、公共交通機関も同日夕方から再び閉鎖されている。(c)AFP/Danny Kemp and Claire Rosemberg