【3月24日 AFP】ベルギー連続テロ事件で、ブリュッセル国際空港(Brussels Airport)の爆発を報じた各国紙が一面に掲載した負傷女性の身元が判明した。全身に粉じんを浴びて血を流した女性は、インド民間航空大手ジェットエアウェイズ(Jet Airways)の客室乗務員で2児の母親のニディ・チャペカール(Nidhi Chaphekar)さん(40)だという。

 チャペカールさんの義理のきょうだいは23日、AFPの電話取材に対し、入院中のチャペカールさんに会うためインド・ムンバイ(Mumbai)から飛行機でブリュッセルに向かうと話した。まだ本人と直接話せてはおらず、容体が安定しているということしか分かっていないという。

 爆発直後の空港で、制服の黄色の上着はずたずたになり、靴も片方をなくし、顔から血を流して放心状態のチャペカールさんを写した写真は、瞬く間にソーシャルメディアを介して世界に広まり、連続テロのすさまじさを人々の記憶に焼き付けた。

 チャペカールさんの写真をめぐっては、インターネット上でプライバシー保護を訴える声が上がっており、テロに巻き込まれたチャペカールさんの写真の公表や拡散は控えるべきだと批判する人も多い。インドの女優、グル・パナーグ(Gul Panag)さんはマイクロブログのツイッター(Twitter)で、「負傷したジェットエアウェイズ乗務員の写真を報道各社やソーシャルメディアが伝えているのは、無神経で悲しい。プライバシーを尊重してあげて!!!」と苦言を呈した。(c)AFP