【3月24日 AFP】米ヒップホップグループ、ア・トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest)のファイフ・ドーグ(Phife Dawg)が22日、糖尿病の合併症により死去した。45歳だった。親族が23日、明らかにした。長年患っていた糖尿病の治療で、2008年には腎臓移植手術を受けている。

 ファイフ・ドーグことマリク・テイラー(Malik Taylor)は1980年代半ば、米ニューヨーク(New York)クイーンズ(Queens)地区で当時クラスメートだったQティップ(Q-Tip)らとともにア・トライブ・コールド・クエストを結成。ヒップホップにジャズの要素を取り入れた作風で人気を博し、商業的にも成功した。

 人気が高まるにつれ、ファイフ・ドーグのMCは存在感を増していったものの、Qティップがグループの顔として不動の地位を占めていたため、メンバーの間には緊張感が漂っていたという。バンドは1988年にいったん解散。その後は、再結成を繰り返していた。

 ア・トライブ・コールド・クエストは1990年にデビューアルバム「People's Instinctive Travels and the Paths of Rhythm」を発表。ファイフ・ドーグは4曲に参加している。その後のアルバム「The Low End Theory」と「Midnight Marauders」は、ヒップホップの名盤と考えられている。

 身長が低いことから自身を「Five-Foot Assassin(5フィート(1.5メートル)の暗殺者)」と呼んでいたファイフ・ドーグ。2000年にソロアルバムを発表したが評価は分かれ、その後は健康問題がキャリアに陰りを生じさせた。

 ファイフ・ドーグの死去を受け、ザ・ルーツ(The Roots)のクエストラブ(QuestLove)やパブリック・エナミー(Publlic Enemy)のチャックD(Chuck D)など、ヒップホップ界の重鎮からも追悼のメッセージが多数寄せられている。(c)AFP/Shaun TANDON