【3月23日 AFP】(更新)男子テニス、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は22日、男子は女子よりも高額の賞金を得るべきだとする発言について、ソーシャルメディア上で謝罪した。

 四大大会(グランドスラム)通算11勝の王者ジョコビッチは、20日、BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2016)の男子シングルスで優勝を飾ったものの、自身のコメントが物議を醸していた。

 BNPパリバ・オープンの大会ディレクターを務めていたレイモンド・ムーア (Raymond Moore)氏が、女子テニス協会(WTA)は男子の人気に便乗しているという性差別的な発言をしたことについて、見解を求められたジョコビッチは、女子が「ホルモンや他のこと」によるハンディを背負いながら懸命に戦っているとし、ムーア氏の発言を批判したものの、男子プロテニス協会(ATP)はより多くの観客を動員しているため、WTAツアーより多額の賞金をもらうべきではないかと述べて、各方面から批判を受けていた。

 騒動の結果、ムーア氏はBNPパリバ・オープンの大会ディレクターを辞任し、ジョコビッチの発言は、マイアミ・オープン(Miami Open 2016)の開幕に影を落としていた。

 多くの選手が男女同権を支持する考えを表明する中、ジョコビッチはツイッター(Twitter)とフェイスブック(Facebook)に謝罪文を掲載し、誤解を招く発言について弁明した。

 ジョコビッチは、コメントを求められた際に「決勝戦を終えたばかりで、幸福感とアドレナリンがあふれていた」「自分の考えを不適切な形で表現してしまった。これについて真意を伝えたい」と述べている。

「お分かりとは思いますが、僕はテニス界の将来と、全ての選手について真剣に考えています。僕の人生はテニスに助けられてきましたし、今の自分の立場を考え、財が境界線を越えて平等に、より良い形で分配されるべきだと、お話しする必要があると思いました。これは男子と女子の両方にとってです」

「僕らは自分たちの力で、欲しいものを勝ち取る必要があります。この戦いは、性別や収入の違いについて行われるべきではなく、自分のプレーや努力がどのような形で報われるべきか、ということを意味しています」

「テニスは僕が愛するスポーツで、夢の実現を目指す人々を応援するチャンスをくれました。この考えは常に変わらず、誤解を与えた皆さまにはおわび申し上げます」