【3月22日 AFP】(写真追加)爆発の煙が薄れていくにつれて目に入ってきたのは、腕や脚を失った被害者らが血の海に横たわる様子だった──ベルギー・ブリュッセル国際空港(Brussels Airport)のメインターミナルを襲った2度の爆発の目撃者らはAFPに対し、恐怖の光景を語った。

 ザベンテム(Zaventem)にある同空港の出発ロビーは、通常通り利用客らでにぎわっていたが、朝のラッシュアワーに発生した爆発により激しい損傷を受けた。チェックインカウンター付近の天井の一部は崩落し、巨大なガラス窓の多くが吹き飛ばされた。

 両手にまだ血痕が残る手荷物検査の担当者はAFPの取材に対し、「男がアラビア語で短い言葉を叫んだ後で、大きな爆発音を聞いた」と語った。それから2分ほど経って、もう1回爆発があったという。

「少なくとも6~7人の負傷者を助けた。運び出した何人かは、動いていなかった。どこもかしこも完全なパニック状態だった」

「少なくとも6~7人の脚は完全につぶれていた。四肢の一部を失った人もたくさんいた。1人の男性は両脚がなかった。ある警察官は片脚がめちゃめちゃになっていた」

 救急当局は、この爆発で少なくとも11人死亡、多数が負傷したと伝えている。

 ブリュッセルでは、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した昨年11月のフランス・パリ(Paris)同時テロの主犯格とされるサラ・アブデスラム(Salah Abdeslam)容疑者が先週逮捕された後、厳重な警備体制が敷かれていた。(c)AFP/Cédric SIMON /Lachlan CARMICHAEL