■モーターショーでの成功

 同社は2011年ドイツ・フランクフルトモーターショー(IAAInternationale Automobil-Ausstellung)で、コンセプト・ワンを発表。クロアチアの小企業がわずか2.8秒で時速100キロに達する驚異的な電気自動車を披露すると予想していた人は一人もいなかった。

 今月スイスで開かれたジュネーブ国際自動車ショー(Geneva International Motor Show)では、コンセプト・ワンの生産モデルに加え、その「双子の悪魔」と銘打ったさらに強力な「コンセプトS(Concept S)」のプロトタイプも紹介した。

 このような成功を収めたことで、リマッツ氏が米国のシリコンバレー(Silicon Valley)やドイツ、イタリアといった別の場所に移住するだろうと考える人が多かったが、リマッツ氏は、6年に及んだ不況からゆっくりと回復しつつあるクロアチアで事業を継続することにこだわった。

 リマッツ氏は、スベタネデリャに第2工場の建設を計画している。従業員数は今年、これまでの2倍の300人にする予定だ。平均年齢は30歳で、その多くが大学を卒業してすぐに入社した若いエンジニアだという。