■クロアチアでの事業にこだわる

 同社では、車体やシャシーをはじめ、電力配分装置やバッテリーまで、スーパーカー部品の大半を自社生産している。そこには外注に頼らず、ノウハウや雇用を自ら作り出していきたいというリマッツ氏の哲学が反映されている。

 スピンオフ事業として2013年に設立されたグレイプ・バイクス(Greyp Bikes)では、時速70キロまで出せる高性能の電気自転車を開発。価格は8500ユーロ(約107万円)で、これまでに世界で約80 台販売された。

 クロアチアの事業環境には手続きの煩雑さや頻繁に変わる会計規則など数多くの問題がある。リマッツ氏は、同社がそれらの影響を直接被ることはないとしながらも、これまでは「何でも自力で、あるいは万難を排して」という形でしか成功できなかったクロアチアの若い起業家を支援していくには、より良い枠組みが必要だと強調している。

「私たちはポジティブ思考を持った若者たちと共に、ここに自分たちだけの小島を作っている」とリマッツ氏。「私たちは、クロアチアが必要としている変革の導火線に火をつける火花になろうとしているんだ」
(c)AFP/Lajla VESELICA