【3月16日 AFP】シリア内戦の発生から5年となった15日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のトップを務めるフィリッポ・グランディ(Filippo Grandi)高等弁務官は、各国にシリア難民40万人を追加で受け入れるよう要請する方針を示した。

 高等弁務官に就任後初めて米首都ワシントン(Washington D.C.)を訪問した同氏は、危機を終わらせるために国際社会はもっと行動しなければならないと呼び掛けた。

 グランディ高等弁務官は「私は3月30日にジュネーブ(Geneva)で会合を主催するが、その場で国際社会に対し、すべてのシリア難民の10%を受け入れるよう要請する」と報道陣に語り、「10%は相当な人数だ。40万人以上になる」と付け加えた。

 内戦発生以降、シリア人400万人以上が戦火を逃れて国外へ脱出した。また、シリアの国内避難民は600万人以上に上っている。

 シリアと国境を接するトルコやレバノン、ヨルダンは大量の国外脱出者たちへの対応に苦慮している。また、多数の難民受け入れに乗り出したカナダとドイツが称賛される一方、米国などそれ以外の国々に対しては非難の声が上がっている。(c)AFP/Dave Clark