【3月15日 AFP】ギリシャ北部のマケドニアとの国境に足止めされていた移民のうちの数百人が14日、水位がももの位置まで上がった川を渡ってマケドニア側に入り、同国軍により制止された。

 ギリシャの対マケドニア国境では、バルカン諸国が国境閉鎖に踏み切ったため移民ら数千人が留め置かれ、イドメニ(Idomeni)付近の移民キャンプは過密状態に陥っている。

 移民ら約1000人がこの日、閉鎖されている検問所を通らずにマケドニアに入る経路を探し回り、イドメニからおよそ2キロ離れた村で代わりの経路を見つけ出した。

 AFPの記者によると、移民らは所持品全てを抱えて丘を越え、流れの速い川の中を歩いて渡り、この村に向かった。ギリシャの警察当局によってたちまち包囲されたが、2度にわたってくぐり抜けた。最初は移民らが多過ぎて阻止しきれず、2回目は川を渡っていく移民らを警察車両が追跡できなかったという。

 だがその後、マケドニア軍が移民らの移動を制止。同行取材していた記者約20人も、国境を越えた直後に警察に連行され、「不法入国」を理由に1人500ユーロ(約6万3000円)の罰金を科された。

 また同日にはこれに先立ち、大雨で水位が上がったマケドニアの川で、ギリシャからの越境を試みて水死したアフガニスタン人3人の遺体が発見されている。さらにギリシャ沖のエーゲ海(Aegean Sea)では移民らが乗った船が沈没し8人が行方不明となり、同国の沿岸警備隊が捜索に当たっている。(c)AFP/Will VASSILOPOULOS