【3月10日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の妻、エミネ夫人(Emine Erdogan)が9日、オスマン(Ottoman)帝国時代の皇帝のハーレムを「女性が人生の準備をする学校」だと称賛し、物議を醸している。

 この前日にはエルドアン大統領が、「国際女性デー(International Women's Day)」を記念する演説で「女性というのは、第一に母親だ」と述べて反発を招いたばかり。エルドアン政権に批判的な人々は、政府が厳格なイスラム教の価値観をトルコに押し付け、女性の自由を抑圧しようとしていると非難している。

 エミネ夫人は、首都アンカラ(Ankara)で行われたオスマン帝国に関する公式行事で「ハーレムは、オスマン王朝の人々にとって学校であり、女性が人生を準備するための教育施設だった」と述べた。

 オスマン帝国時代のハーレムでは、女性たちにカリグラフィーや装飾美術、音楽、外国語などの教育を授けていた。ハーレムで暮らすのに年齢制限はなく、60代の女性と少女たちが同居することもあった。最も有能な女性は、宮廷に強大な影響力を及ぼしたとされる。

 しかし、イスタンブール大学(Istanbul University)のオズレム・クルムラー(Ozlem Kurumlar)教授は、マイクロブログのツイッター(Twitter)に「(16世紀の皇帝である)ムラト3世(Murad III)の時代、ハーレムに決して持ち込めない唯一のものが本だった」と投稿した。(c)AFP